病院の看護師不足は、看護学科の増設や新人看護師の採用でのみ解決される。
そして実際の現場では、看護師としての経験が豊富なベテラン勢に新人看護師の指導や看護学生の指導などの業務以外の任務が与えられている。
ただでさえ激務と言われる看護師の仕事であるにも関わらずベテラン看護師の仕事が増え、新人や学生のミスに対しても責任を追求される。
新人看護師は知識や技術が未熟なうちは責任を問われず先輩の責任となる。
どの病院も離職率を上げたくないため、新人教育や新人看護師のメンタルフォローに力を入れている一方、ベテラン看護師には新人看護師の教育やミスした場合の責任が課せられるため、悩みや不安が尽きないのが現状だ。
悩みや責任の重さに耐え切れないベテラン看護師は離職してしまうことが多く、その分の人員不足は再び新人看護師で補充される。
つまり、残ったベテラン看護師の負担がさらに増える事態となるため悪循環に陥っているのである。
このように看護業界は年数が経ち経験が増えるにつれ業務や責任は増え負担となる。
看護師の絶対数は足りていると言われているが、実際に戦力となる看護師の数が足りていないマンパワー不足であり、病院は慢性的に看護師不足であるといえる。
近年日本は深刻な高齢化が問題となっており、看護師不足を解決することが急務である。
看護師不足の悩みを解決するため、まずは戦力となるベテラン看護師の負担を軽減していくよう教育体制、勤務体制に改善する必要があるだろう。
看護師不足とは単に看護師の数が足りないということでなく、戦力となる看護師が少ないマンパワー不足であると言える。